20世紀に入ると屋台が出現してくる。そして、中盤になると現代のような半常設的な屋台がバンコク市内などに並ぶようになる。現代のように庶民が屋台で食事をするようになっていく習慣は、この頃から序々にはじまったと考えられる。ではなぜ、そのような習慣ができたのか。それにはいくつかの要因が関係してくる。ひとつは、近代化にともないお金の価値が高まり、豊かさの価値観の変化により人々は男女を問わず労働するようになった。そこで、家事をする時間が減少したこと。1980年にはバンコクの人口が800万人を超え、都市の市域が広がり、人々は通勤に時間を取られるようになり、また市場の開いている時間に間に合わなくなったことなどである。そのため、人々は安くて手軽に買える屋台に頼るようになったのだと考えられる。