ヒートアイランド現象
都市化に伴う熱放出の増加や土地表面の水分量の減少により、都市部の気温が郊外に比べて島状に高くなる現象を「ヒートアイランド現象」と呼ぶ。東京・大阪などの大都会では、ここ20年ほどの間にヒートアイランド化が急速に進み、都市環境の悪化を招来している。
L9_fig21.gif 地球温暖化の効果が、最近100年間で0.6℃の気温上昇に留まっているのに対して、大都市の年平均気温は、2~3℃上昇している。統計によると、最高気温で+1℃、最低気温で+2~3℃となっており、最低気温の上昇が顕著である。都市部の住民が高温にさらされる時間の増加は著しく、夏期における30℃以上の延べ時間は、最近20年の間に、東京・名古屋で約2倍、仙台で約3倍に達している(表)。こうした現象は夏場のエアコン使用に拍車を掛け、結果的にヒートアイランド化を促進するという悪循環を生んでいる。