育成の基本的事項
われわれの身の回りで栽培されています植物は,山野に自生するものから高度に改良
された園芸植物に至るまで,その種類は非常に多いです。これらに共通した育成上の基
本的次項は次にようになります。
〈生態的特性を知る〉
植物の特性をよく理解するためには,その植物がどのようなところで最もよく生長し
ているかを,自分の目で確かめることが望ましいです。春に開花する地生ランであって
も,エビネは落ち葉が厚く堆積した軟らかい土で,湿り気のある山腹から沢にかけて自
生します。他方,シュンランは比較的乾燥した尾根筋などに多いです。こうした自生地
の実態を把握することで,日当たり,土の選択,潅水の程度などの調節や管理が栽培の
上に生かされることになります。