オーストラリアの国民は、海外から入って来る疾病や雑草、ネズミやリスなどの齧歯(げっし)動物による被害には常に神経をとがらせています。農業生産は、縮小しているとは言え、この国の経済に重要な位置を占めています。畜産業に有害な影響を及ぼす雑草、害獣、病気などによって、国の財政が深刻な状態におちいる可能性もあります。オーストラリアを訪れる人々が空港に到着した際、荷物コンベアのある所で、検疫用のビーグル犬に出くわすことがあるかもしれません。この犬は乗客の荷物の中に検疫の対象となるものがないかどうか、匂いをかいで調べているのです。他の国からの害虫や細菌が国内に入り込むのを防ぐには、こうした手立ても必要とされます。